中村の考え

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素直力・頑固力

素直という資質は、しばしばいい意味で使われる。
そして、頑固という資質は、悪い意味で使われることが多い。
無論、資質それ自体に善し悪しはないという大原則は、この場合にも当てはまる。

素直とは、受動的な意味合いにおいてのみ好ましい資質となり、頑固は能動的な資質としては、よい資質となり得る。
というより、何かを成そうとした時には、受動的に素直で、能動的に頑固でないと難しいのではないか、と僕は考える。

例えば、人に意見された時に、その意見を受けつけられるかどうか?は、受動的な素直力による。
人からの様々なアドバイスを受け、そして自分はこうして行こう、という目標を定めた時に必要なのは、能動的な頑固力だ。
何があってもそれを貫き通す力の源。
そして、人から受け取ったアドバイスは、ただ素直に受け止めればそれでいい訳ではない。
自分の力で考え、そしてその内容を吟味し、取捨選択し、判断していかなければならない。
それは、戦術的には思考力の範疇だが、戦略的には頑固力の範疇だ。

最近、20代の若者、それも20代前半の若者と接する機会が多くなった。
そういう人たちの中には、受動的にも能動的にも素直な人を見かける場合が多い。
特に男の子に多い。
良く言えば、素直なんだけど、自分に軸がないなあ、という感想を持つ。
これからの生き方で変わるだろうが、アーティストとしての自我に欠けるような印象をどうしても持ってしまう。

では、受動的に頑固で、能動的に素直な人とはどういう人なのか?
人からの意見は受け入れられない。
そして、その言動は、自分の中にあるべき考えの軸に欠け、相手に対する忖度が欠落している。
素直な行動とは、思いつきだけの行動であり、周りにいろんな傷を与えてしまったりする場合もある。
無論、そういったことは演奏上でもよくあることだ。

トランぺッターの山田友和君は、受動的に素直で能動的に頑固な典型的な人だ。
彼に何かアドバイスをしたら、それは全く何の抵抗もなく、彼の中に収まっていく感がある。
受動的に素直でも、頑固に自分の道を歩む力がない人に対しては脆弱さを感じ、アドバイスしにくい部分もある。
素直力は何も人からのアドバイスを受け入れるのみの資質ではない。自らが積極的に何かを得ようとする時にもその資質は発揮される。
彼は去年の中津江ミュージックキャンプに参加した人間の1人だが、参加した人間関係で最も沢山の物を得た人の1人だろう。
僕とも共演する機会が生まれ、そこから人間関係も広がった。伊藤大輔や東かおるとも親交を深め、和田いづみ達九州の人間からも呼ばれることとなった。
それは、ひとえに彼の素直力に起因している、と僕は思う。

固陋(ころう)、という言葉がある。
受動的にも能動的にも頑固になってしまった状態。
そうはならないように自らを戒めていきたいものだ。
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  1. 2010/05/08(土) 20:04:46|
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四十代をおもう

30代は一人前一年生になった世代だった。
様々な謎が解決し、解らなかったことがどんどん解りだした。
20代に「間違い」でしかなかったことは、「違い」となり、一応は個性となった。
そして、自らの生き方が定まった世代だった。

さて、40代はどうなのだろう??

僕は、摩耗が始まる世代なのではないか、と思う。
30代で一応は定まったその生き方を、継続出来るかどうかが問われだす世代なのだろう。
おそらく、その覚悟を挫く様々な要素があらわれてくるのだろう。
それは、想像よりも高いハードルとなってあらわれてくるのではないかな。
実際、今でも僕の周りの出来事を見ても、色んなトラップが仕掛けられていて、物事が思うように進まないように思えることは数多くある。
だが、物事とは、思うように進むものではないんだ、ということを知っていれば、解決に向けてポジティブに考えることが出来ると思う。
思い通りにならないとき、妥協したり、諦めたりするのではなく、調和する感性が問われるのではないかな。
それは20代、30代には問われなかった感性だろう。
戦術的な観点ではなく、戦略的な観点で見て、物事や生き方を推進させていく必要性が増えるだろう。
局部的にうまく行かなかった事柄を、受け入れて、全体像として完結させていく。
そうやって、40代の自分の覚悟を貫くことが出来て、それを完結出来たとすれば、それは一生続けることが出来るのではないかな。
そして、その先は自らの芸道の熟成なのだろう。
そう想像している。
  1. 2010/05/08(土) 19:54:41|
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