中村の考え

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ギター論、ギタリスト論、ギターとピアノの関係性について。

前々回ベーシスト論というタイトルで文を記したので、今回はギターについて語ろうと思う。
とはいえ、僕はギターに関して全く詳しくない。だが、このところワークショップにはギタリストは必ず来るし、ここ数年優れたギタリストと頻繁に共演する機会に恵まれたので、ギターという楽器に対して興味が出てきた。
興味が出てくると、色々と考えることも増える。
その上で、僕の考える、ギター論を書きたいと思う。


ギターという楽器は、本当に数多くのジャンルで用いられている。ギターによく似た発音原理の楽器を含むと、世界中で演奏され親しまれている楽器といっていいだろう。
その、ありとあらゆるジャンルの中で、技術技法的な要素をとことんまで極め切った達人のような人が数多くいるに違いない。要素を深化させるという意味合いに於いて、ギター以上の楽器は存在しないかもしれない。
ヘビーメタル等の速弾き、というのも、解りやすいその一つの例だろう。
つまり、ギターは、「おたく」楽器なのだ。
少なくとも、ピアノは一つの要素を深化させていくような楽器ではない。「速弾きピアノ」、などというジャンルは聞いた事がない。

ギターという楽器は、ありとあらゆる楽器の中で、最も簡単な楽器の一種であり。それと同時に最も難しい楽器であると思う。

何故ギターが簡単な楽器なのか?それは6本しか弦のない楽器だからだ。つまり、技術的に学ぶべき要素がギターは他の楽器に比べて少ないといえる。
その辺の道ばたで歌ってる危ないねーちゃんでもギターは弾ける。数ヶ月の鍛錬で人前で演奏出来るレベルになれる。だが、ピアノではそうはいかない。少なくとも数年の鍛錬は必要となるだろう。

何故ギターが最も難しい楽器なのか?それは6本しか弦のない楽器だからだ。つまり、ギターはどんなに頑張っても6音以上の音を奏でることは出来ない。
ギタリストは、無限大に広がるハーモニーの宇宙のなかから、本当に必要な6音を探し出さなければならない。つまり、音を限りなく「選択」するという、最も困難な作業が宿命として存在する楽器なのだ。

さて、一人前のプロミュージシャン一歩手前、ぐらいのレベルまでのギタリスト対象の話をしたいと思う。あえて述べるまでもないが、中村の考えの読者対象は概ねそのレベルの人を対象としている。
ギタリストにとって最も難しいことは、一人でフロントプレイヤーの伴奏をする事だ。
ギタリストが伴奏楽器が他にいて、フロントプレイヤーとしてギターソロをとる事、は、案外誰でもそこそこのクオリティーで出来る。
だが、マンツーマンでフロント、例えば歌の伴奏を本当の意味ですることが出来るレベルは、相当に高いレベルなのだ。
何故かというと、ソロギターで演奏出来る技術が問われるからだ。
本当の意味でソロでギタープレイを完結させる事は至難の業だ。ありとあらゆるオーケストレーションの中から、6本の弦にそれを集約する音楽力はもちろんのこと、非常にシンプルな構造をもつ楽器故に、変態的に特化したあり得ないような技法、技法であればまだいいのだが、6本の弦に音楽を集約させんが為に個人技のレベルの技術を体得する必要もあるだろう。
その本人しか演奏が出来ない、というような特殊技。
僕の知る限りでも、例えば宮野弘紀さんというギタリストは、そういった特殊技を身につけておられる一人だと思う。ギタリストは、各自に一つ存在する技術の未踏峰に挑まなければならないのだろう。
もちろん、そんな事は一日二日で出来るものではない。では、どうするのか??偉大なる先人達の演奏スタイルを踏襲する。つまり、よほどの天才でない限り、ギタリストは「形」から入らざるを得ない。
ところが、残念なことに、形でギターソロはとれたとしても、形ではバッキングは出来ない。
バッキングとは相手を型にはめる作業ではないからだ、いや、相手をどれだけ自由に表現させるか、がバッキングの極意であるといってもいい。つまり、形でやる事と、真逆のところにその神髄があるからだ。
ギターはありとあらゆる型を身につけた後、その型を外していかなければならない楽器なのだ。


さて、ギターとピアノの関係性について話したいと思う。
ピアニストにとって、ギターと一緒に演奏する事は、大変難しいことだ。
まず、ハーモニーに対する解釈が少しでもずれたら、いきなりぶつかる。
ちょうど良い音量感の違い。弦長の違いから来る響き方の違い。バッキングに於ける役割分担のあり方、等々。
ギターの響きでは許されるコード進行の唐突さ、が、ピアノの響きでは目立ちすぎてNGになるような進行もよくある。そういったことも鑑みてコードの作り方を考えなければならない。
フルアコでアンプを入れたとしてもピアノの音圧は、簡単にギターの音を潰してしまう。
同様な意味で、弦長が違うので、同じハーモニーを弾いたときにでもタッチが狂うと音程が違って聞こえたりする事もよくある。ギターのチューニングがあっていても狂っているように聞こえるのだ。ピアノとギターはとてもデリケートな関係性にあるといっていい。

だが、ピアノでは許されない唐突なコードの変化を、ギターに担当してもらうことで可能になるし、タッチを調節すれば、ピアノの音にギターの音が重なってピアノだけでは出せない響きを作ったりすることも出来る。逆に、ギターでは出せない低音を、ほんの少し足してやるだけで、低音に迫力を出してあげることも出来るし、弦楽器同士の親和性に着目して時にはまるでどちらが奏でているのか解らないような音色を作り上げることも出来る。
ギターとピアノどちらがかけてもダメなようなサウンドを作り、フロント奏者のバッキングをすることも出来る。ギターだけでもピアノだけでもないサウンド。
時には音の親和性ではなく弦長の長さが違うことによる違和感を使って立体的なサウンドを作ることも出来る。
色んな可能性がある。



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  1. 2014/12/02(火) 16:11:20|
  2. ピアノ ギター
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