中村の考え

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アドバイスの受け方

先輩や先生から、様々なアドバイスを受ける事があると思います。
アドバイスをしてくれる人は、大抵の場合その人に対して好意を持って言ってくれていますが、アドバイザーの力量や、意図によっては、アドバイスが功を奏さないばかりか、有害にすらなる場合もあります。
基本的に、人のアドバイスは半分に聞いたらよろしい。
僕は、大学一年生の時に、はじめてセッションにいったジャズ喫茶のマスターから受けたアドバイスが的外れであった事から、そのことを学びました。
必ずしも人が正しい事を言ってくれるとは限らない。また、正しい事であったとしても、そのことがその人に取って正しいかどうかはわからないのです。
最終的に、自分の感性以外の事を表現する事は無理だから。

では、アドバイスをどう受ければいいのか、ということを考えてみましょう。
アドバイスには大きくわけて二つあると、僕には思います。

戦略的アドバイスと、戦術的アドバイスです。
戦略とは、どういう目的で戦うか、で、戦術は、いかにして戦うか、です。
つまり、戦争でいうと、第二次大戦の目的を定めた東条英機は戦略家で、ミッドウェーで采配した山本五十六は戦術家です。








的確な戦術アドバイスは、即効性が高いアドバイスです。
例えば、バッキングは控えめに、や、ドラマーのスティックの持ち変えるタイミングについて等のアドバイスは、劇的にその場の音楽が良くなります。
ただ、戦術レベルのアドバイスには、場当たり的なものが多い。またそのバンドのリーダーの好みを述べているだけに過ぎない場合もある。
そういうアドバイスは、音楽の本質をついているものとは言いがたい事も多い。全く受け入れる価値がない訳ではないとまではいわないが、そのようなアドバイスに対してはある程度距離を取って考えてみてもいいかもしれない。
また、戦術レベルのアドバイスの欠点は、即効性が高い事により、過程がおろそかにされる傾向があるということです。
実は、ジャズ音楽において重要なのは、結論ではなく、過程である事のほうがはるかに多い。
ジャズ音楽は、想定された結論に対して向かっていく音楽ではなく、過程を楽しみながら、行き着く先を、言葉悪くするなら漂着する先を楽しむ音楽だといえるからです。
戦術的アドバイスは、ある展開においては効果的だが、又別の局面において、そのアドバイス通りの事をしても逆効果になる用な事も多々あるのです。
つまり戦術レベルのアドバイスには、即効性もあるものの、どうしても場当たり的な、局地的な価値観になってしまう場合が多い。そのことを知り、そのアドバイスを受ける必要があるでしょう。
また、そういう理由で、指導する者の立場からは、後輩に対しての戦術的なアドバイスはなるべく控えるほうがいいでしょう。
何故ならば、音楽の局面は、100回あれば100通りあるといっても過言ではなく、本来、自らの経験や、考察から学んでいくべき事柄であるからです。
過度な戦術レベルのアドバイスは、結局のところ、思考の機会を奪う危険性があります。

音のうるさいドラマーに、小さい音で叩けとアドバイスしても、今度は芯のない音で叩くな、というアドバイスをしなければならなくなります。

戦略的なアドバイスとは、その過程に対する説明といってもいいでしょう。
何故君の音はうるさいのか、ということの説明、いわば音楽の本質に至る道の説明でしょう。であれば、結論は人それぞれ違うものとなるでしょう。
ただ戦略的なアドバイスの欠点は、アドバイスを受けるものを混乱に陥れる可能性が高い事です。
何故ならば、音楽に於いての真理を得た者の全ては、それを霊的なインスピレーションや、体験の積み重ね、つまり経験や、言語化する事が難しい感覚によって、それらを得ているからです。
また、その道を通った事のあるものからすれば、その抽象的なアドバイスも具体的に感じる事が出来たとしても、勿論アドバイスを受けるものはその道はまだ見た意見である訳で、理解が困難なのはある意味自明の理です。
故に、自らが進歩し、ふとそのアドバイスを思い出しときにはじめてその意味が理解出来たりするような事もしばしばあります。


僕が後輩にアドバイスする時に一番大事に思っている事は、思考を促す事です。
回答を述べる事はその人のためにならない。
ジャズピアノはペダルを踏んではいけない、と最初に僕に教えてくれたジャズ喫茶のマスターは、そのことをこそ僕に教えてくれました。
ペダルを踏んではいけない、ということは、相当ひいき目に見ても局地的に正しい事柄でしかない。
良いアドバイスとは、何故踏んではいけないのか?ペダルを踏む事は、ジャズピアノにどういう影響を及ぼすのか、踏まないメリットとは何なのか?
を、思考させる事です。
中村の考えを読んで、そのひとの思考の一つの糧になる事、その切っ掛けになる事こそ、僕の望みです。







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  1. 2009/03/02(月) 16:39:41|
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